大自然の中で思う存分、映画の中のような体験をしたいですよね。しかも他の誰にも会わずに極上の時間をすごす。
今回は永遠の憧れ、無人島です。アメリカに来たからにはアラスカの無人島でキャンプをし、釣りをして、その魚を料理して、大自然の中で思う存分、映画の中のような体験をしたいですよね。しかも他の誰にも会わずに極上の時間をすごす。これができます、ここテキサスで。Rockport-Fultonエリアは、自然好きにはたまらないエリアです。釣り、バーディング、カヤック、キャンプ何でもできます。
今回は、カヤックに乗った男3人と8歳の男の子の海横断、無人島キャンプ1泊の驚異に満ちた物語です。メンバーは野外調理人で石油業界のT氏、バス釣りのプロ兼小児心臓手術外科医Dr. A、カメラマン兼必殺焚き火師Dr. Nedと、植物学と魚とり名人8歳のわが次男ジャックです。
昼前にPort Aransasフェリー乗り場の少し前から、T氏とDr. A、僕とジャックで2隻のカヤックで出発です。1時間で有名なLydia Ann 灯台に。このあたりはイルカがよく見られる所で、今回も5匹のイルカがカヤックのすぐ近くを泳いでいます。去年は、カヤックの周りでジャンプもしてくれました。また、海亀の子供もたくさん泳いでいます。左手には白い無人のビーチが続きます。バスプロのDr. Aは慣れた手つきで魚を釣っています。僕も今回は初めてDr. Aに習ってルアーに挑戦です。魚は30センチくらいのが、浅瀬の藻場でたくさんはねていたり泳いでるのが見えます。浅瀬と深くなっているところの間を狙いつつカヤックを進めていると、当たりがありました。30センチくらいのSand Troutです。早速ビーチに上がり休憩。魚をさばき、刺身とスープにして食べました。
次は広い海を渡って、無人島へ向かいます。波も少しあり、水平線しか見えず、GPSのみが頼りです。緊張の時。Mud Island自体、高い木もない平坦な島なので、カヤックを進める時の目印がありません。1時間でやっと、はるか向こうに白い砂浜が水平線の上に線のように見えてきました。Mud Islandです。さらに、古い難破船がビーチで朽ちていて、気分も盛り上がります。夕方5時くらいに上陸。見渡す限り海とビーチと低木。何もないし人もいない風の島。
テントを張り、焚き木を集め、夕食の準備です。野外調理人のT氏の出番です。今回は梅シーチキンスパゲティーと丸ごとローストチキン、はては、しめ鯖まであります。風は強く蚊もいないので、涼しく気持ちのいい夕方です。目の前には、真っ赤な太陽がゆっくり海に落ちていきます。食事も酒もなにもかも果てしなくおいしく、果てしなく気持ちのいい時間が流れていきます。日が暮れかけてからは焚き火の準備。強風の中、ほぼ不可能とも思われましたが、そこは必殺焚き火師Dr. Nedが無理やり火をつけ、気持ちのいい焚き火の夜が訪れます。はるか遠くに街の灯り、空は満天の星空、虫の声と、波の音。ライトを照らすと何十匹もの魚が驚いて飛び跳ねます。すでにここがヒューストンから3時間で来れるような所という感覚はなくなり、各自、自由な妄想の世界に入って行きます。
真夜中、月がまぶしくて目を覚まし、朝は巨大な太陽が寝ている真横に現れ、幻想的な空の色を作ります。
朝、棒ラーメンと釣った魚を焼きます。植物学のジャックはどの木の葉っぱが塩分を含んでるか知っており、それで味付けします。今から何もない海を5マイル横断してRockportへ。オイルリグを目印に、タンカーをよけながら帰ります。この時期はいつも追い風なので、波に乗り2時間半で帰還。何もないだだっ広い海をカヤックで渡っていくのは、なかなか快感です。今回は医者と歯医者が同行ということなので、いたって安全。しかもT氏は石油業界人。走行中、オイルリグなど問題が起きても対処できます(笑)。
今回の冒険は、この記事だけですぐ挑戦というのも難しいので、興味があれば連絡ください。案内します。子供も参加出来て、もっと気軽に楽しめるカヤックやキャンプも企画していますので、連絡してください。8歳のジャックは、旅が終わって少したくましくなった感じです。
ガルフストリーム2014年9月号参照。