ここのところわれらがＧｕｌｆｓｔｒｅａｍも３か月にわたるロッキー山脈の連載やキャンプ情報など、一瞬アウトドア雑誌を読んでいるのかと思うような盛り上がりを見せておりうれしい限りです。
今回はテキサスの隣の州、アーカンソー州です。ここはキャッチフレーズもNatural Stateとあるようにテキサスとは違ったアウトドアの楽しみがあります。州の面積ははるかにテキサスより小さいのに、５２のステートパークがひしめくようにあり、ステートパークのはしごもできる勢いです。さらにテキサスと違いpublic landが多いので結構自由にどこでもテントが張れます。実際テキサスでカヤックをしていて一番怖いのはワニでもアリゲーターガーでもなく人間。川沿いにはほとんどの場所に私有地であることを表すNo Trespassingの看板が出ています。その点アーカンソーはテキサスと違い川にそってほぼどこもpublic landで許可なくテントが張れ、直に焚火もできます。テキサスで野性味あふれるボールドサイプレスの森にハンモックをかけてキャンプしようと思っても、ＲＶパークとかに戻らないといけないのは興ざめですが、こちらではいわゆるバックカントリーを旅をしている感覚を気軽に家族でも味わえます。
今回はアメリカではじめてNational Riverに指定されたＢｕｆｆａｌｏ Riverです。ヒューストンの周りの川と違い透きとおっており水中眼鏡を付けて魚を追っかけることもできます。また川辺は白い丸い小石でまるで日本の田舎の川に戻ってきた感覚です。ヒューストンからだとロングウイークエンドに気軽に家族で楽しめます。アウトフィッターに予約を入れカヤックとシャトルサービスの予約を取ります。基本的にはマイクロバスで川上に連れて行ってもらって、自分たちだけで川を下ってきます。一日の短いコースから始めるといいです。なれたら途中でテントがやはりここの醍醐味。アウトドアで一番きれいな時間帯、マジカルモーメントは、日の入りのころと日の出のころです。ここは決まったテント場はなく川辺はどこも最高のキャンプ場なので、いつまでにどこに行かないといけないというのがないというのも、特に子供づれだと便利です。というのも川辺はどこも子供にとってはワンダーランド。魚を捕ったり泳いだり、地面を掘ったりなかなか動いてくれません。帰り着く日の日の入りとゴールまでの距離だけをチェックしておけばいいですが、子供も一緒であればアウトフィッターがこの位の時間がかかるといわれる時間の倍以上の時間がかかると思ってください。なので短いコースのほうが楽しめます。川はゆっくり流れてるので漕がなくても普通に進むし、増水時でなければ安全でひっくり返ることもまずないです。漕ぎ始めはあまりほかに人がいないことが多いですが、下流に行くにつれステートパークもあり人が増えてきます。
僕はここ何年かメモリアルウィークエンドなどに、子供を連れて一泊のテントカヤックを楽しんでいます。金曜日の夕方に出てTexarkana付近のＲｅｓｔ Areaで車中泊。翌日７時ころに出ればＢｕｆｆａｌｏ River Outfitterｓ（800-582-2244）に朝11時ころつきます。ここの店員は日本語なまりの英語には慣れていないものの、みんな不思議なくらい親切です。もう少し早く出れば、車中泊でなくモーテルなどに泊まれます。この川は人もあまりいないし水がとにかく透明。Ｂａｋｅｒ ＦｏｒｄからＧｉｌｂｅｒｔのコースをテント一泊で下ることが多いですが、もう少し短くてもいいと思っています。夜は蛍が飛び焚火の音と水の流れる音が静かに気持ちいいです。一番下の娘は３歳の時からこの川を下っています。５月は下流付近はそこらじゅう子亀がいて簡単に手で捕まえられたりします。バスやブルーギルなども簡単に釣れます。網ならモスキートフィッシュ、魚が寝てる夜ならさらにブルーギル、バス、ナマズなどの稚魚が網でたくさん捕れます。子供とこういう遊びができる期間というのはそうそう長くないことを最近実感し、非常に貴重な時間だと思います。テーマパークでも、有名な観光地でもない、さらにはWifiもないところ。子供たちと、または家族や友達で、自然と向かい合ってみる。行けるときに絶対行っておくべきところだと思います。詳しい情報がほしい人はいつでもご連絡下さい。Gulfstream 2019年4月号参照
