Baldcypress（ボールドサイプレス）、 ラクウショウ（落羽松）、またはヌマスギ（沼杉）。聞いたことはありますか？
どうやら、いま日本で話題沸騰(ちょっとだけ)、インスタ映えと話題（たぶん）のルイジアナの州の州木です。事の発端は九州大学の篠栗九大の森に1977年にこの木の苗を植えた事です。２０１０年に一般公開したところ、去年くらいから、インスタ映えするということで人気に火が付いたようです。もともと年間に2万人くらいしか訪れる人はいなかったものが、SNSなどの影響で2017年には紅葉の時期には1か月に3万人、年間で13万人もの人が押し寄せています。今では大型観光バスまではいるようになり、もともと大規模な観光が目的でなかったため、大学の方は戸惑い気味で、閉鎖も考えてるようです。グーグルしてみるといろんなコメントや写真が出てきます。どれもこの世のものとは思えない、ジブリの世界・もののけの森、カッパドキアみたい（これは言い過ぎ）、言葉に言い表せない絶景、果ては福岡のインスタの聖地とまで祭り上げられてるようです。この地、ヒューストンから行くとなるとかなり覚悟がいります。しかもサイプレスの木は１4本のみ、周りにはロープが張ってあるうえ、この木とのセットでさらに魅力の増すスパニッシュモスはかかっていません。しかしこの木、もともと原産はこちら、アメリカ南部の湿地帯です。ヒューストンから簡単なアクセスで広大な場所で、もっと大きなサイプレスを見れます。もうヒューストン、何にも見るとこはないとか言い訳はできません。実際ヒューストンのゴルフ場にも何本か生えてたりしますので、今度写真を撮ってアップしましょう（笑）。
有名なのはCaddo Lake。ヒューストンからだと北へ5時間くらい、ルイジアナとの州境にまたがっています。東テキサスは自然環境が特に多様性が強く、アメリカの自然環境のほぼすべてがこの地域に凝縮されてるともいわれています。サイプレスは沼地に生えるため、水に強く、建築材料として乱伐された時期があり、あまり大きいものがないですが、Caddo Lakeのサイプレスは圧巻です。ヒューストンに住んでいるのであれば、ぜひ一度は行くべきスポットです。僕が勧めるオールタイムNO.1です。ボートのガイドも充実しており、手ぶらで行っても楽しめます。僕がサイプレスを初めて見たのもここで、本当に吸い込まれるような妙な感覚に襲われたのを覚えています。写真でわかるように枝からはスパニッシュモスが垂れ下がり、さらに不思議な景色を作っています。レンタルカヤックなどで自分で夕陽や朝日時に行けば、一生忘れられない光景に出会えます(Gulfstream 2013年 9月号参照)。
さらにヒューストン、1時間弱でサイプレスが見れるところもあります。I-10を東に45分くらい、トリニティーリバーを越えるとすぐ右手にあるArmy Corps of Engineers, Bird Rookeryです。実際はそれを行き過ぎて８０７で降り、Uターンですが、ここもサイプレスの森が見えます。駐車場からすぐにボードウオークがあり、（と言っても５０ｍくらいでそれっきりですが）そこから、サイプレスの水上の森が見えます。春だとピンクのフラミンゴのようなロゼッタスプーンビルの子育てが見れるかもしれません。近くて手軽なので、ベビーカーでも押しながら、ちょっと見てみようかなという場合はここ、インスタ映えします（笑）。
Caddo Lakeほど大きなサイプレスはないですが、ヒューストンから3時間弱のMartin Die’s State Parkもサイプレスの森が広がり、カヤックのレンタルなどもあり、キャンプやBBQなども楽しみたい場合はここです。
もっと本格的にサイプレスの森に分け入って、サイプレスの間をカヤックで抜け、サイプレスに抱きつき（笑）、サイプレスの呼吸根の上に腰かけ、テントを張ったり、たき火をして、本格的なバックカントリーの冒険を楽しみたい場合は、トリニティーリバー沿いのLake Charllote （何とヒューストンから約1時間 I-10 Exit 810）やガルフストリーム2016年7月号で書いたAngelina Riverなどおすすめです。ガイドやカヤックが必要な方は連絡ください。Gulfstream 2018年7月号参照
Caddo Lake photo gallery ページもご覧ください。
